ルール作りや業務改善の実施、仕組み化など様々な施策に取り組んでいるものの継続が出来ない。
こんなお悩みをよく聞きます。
「うちの会社は継続が出来ない」と苦い顔をして仰られる経営者の方々とお会いしてきましたが、ご安心下さい。あなたの会社だけではありません。
多くの企業がこの問題に直面しているのです。
しかし、多くの企業が同じ状況だから「それでいい」という訳ではありません。
そんな「継続力」に課題を持つ多くの経営者様の為に、本記事ではまずその理由と対処方法についてお伝えさせて頂こうと思います。
是非最後までお付き合いください。
継続出来ない理由3選
1 次から次へと新しい案件
新たな社内ルールを設けるも、定着しない内に更新され、それがきちんと周知されないといったケースはよくある事の一つです。
例:5s活動の優先順位が下がった
5s活動を開始した。それに際し毎朝始業前10分の清掃が義務化された。
しかし、とあるタイミングで業務改善を行うよう指令が出た。
生産効率を向上させる為、各班毎で毎月最低5件の改善提案をしろとの事である。
残業時間も規制が厳しく、日中は業務で多忙である事から毎朝の5s時間を利用して業務改善に関する話し合いがもたれる頻度が増えてきた。
次第に5s活動は優先順位を落としていき、毎月5件の業務改善提案を考える時間へと変わっていった。
これは、実例の一つです。
内容は一部割愛していますが、この例と同様に次々と新たな取り組みが実施される事により折角始まった事の優先度が下がり、次第に姿を消していくというのは比較的多い事例です。
2 従業員が納得していない
ルールの新設や業務改善をはじめとしたプロジェクトの開始などの際、実際にそれを行うのは従業員の方々である場合が殆どです。
マネージメントクラスが方針を決め、新たな取り組みを履行するに当たりその理由と意図を従業員の方々へしっかりと説明する事が継続させる上で非常に重要な要素となるのです。
「5sをしなさい」
と言われても、5sが一体どういうモノでどの状態が5s出来ている状態なのかを知らない方々に適切な5sは出来ません。十中八九ただの掃除で終わってしまうでしょう。
ルールを策定する際も同様ですが、「このルールを守りなさい」というだけでは中々ルールは根付きません。
きちんとそのルールが制定された意図を理解させ、だからこのルールを守る必要があるという納得の元に初めてルールは定着していくのです。
誰もがそのルールに共感する訳ではありません。
改定が必要な場合もあるでしょう。ここで重要なのは理由とそのルールが持つ意図を納得してもらう事です。
3 言ったら言いっぱなし
これもよくある事例の一つですが、新たなルールを制定したり業務改善を命じたにも関わらず指示した内容に対して反応がないといったことが非常に多いのです。
出来ていたら褒める、出来ていなければ叱る・アドバイスする。
こういった当然の反応がなければ従業員の方々は「興味がないのか」や「やってもやらなくても何も言われないならやらない」といった心理になってしまうのは必然です。
反対に「反応がないからやらないというのは違う」と思われるマネージメントクラスの方々もいらっしゃるでしょう。
それも間違った意見ではありません。しかし、企業において従業員の方々とマネージメントクラスの方々が持つ情報量と価値観は一致しない場合が殆どです。
マネージメントクラスの方々が持つ意見と従業員の方々が持つ意見では相違があって然るべきなのです。にも関わらず相互に「なんで〇〇しない」と考えていたのでは継続する訳がありません。
経営者、マネージメントクラスの方々は従業員の方々が目的に向かっていけるように体制や環境、仕組みを整えて導いてあげる事が必要なのです。
継続する為に必要な事は
企業毎に継続出来ない理由というのは様々です。
折角制定した新しいルールも、開始した業務改善も、導入した新たな仕組みも、継続できなければなんの意味もありません。
一過性のもので得られる効果は極めて薄いからです。
前項にて継続できない理由の代表例3つを挙げました。
この3つは経験上多い理由という事でご紹介しましたがその他にも理由はバリエーション豊富です。
しかし少なくともここでご紹介した3つの継続出来ない理由に対して対策を講じる事で同様の失敗は防げることでしょう。
それだけでも大きな進歩です。
継続する為に必要な事の一つ目は何かを達成してから新たな事を始める。
勿論、突発的に対処しなければならない場合はあります。
そんな時には「いつまではこちらの対策に注力するがその期日を過ぎた後は今までの活動を再開する」という事をきちんと従業員に周知し、優先度は変わらず継続する事を宣言する事が効果的です。
二つ目に理由と意図を明確に伝える事です。
誰もがその手段に共感・納得する訳ではありません。しかし重要なのは少なくとも「こうだからこうする」という理由には納得してもらう事。そして理解してもらう事です。
何故これをやるのか分からない状態と理解出来ている状態では取り組みに大きな差が出てきます。
三つ目は進捗や状況を見て評価する事です。
5sを指示したのであればその状況を見て、出来ていなければ口を出す。やろうとしているが方向性がズレている場合はアドバイスをする。出来ていれば褒める。
当たり前の事で、簡単な事ですが活動を継続する為の特に序盤ではこの評価が明暗を分けます。
見られていると感じる事でプレッシャーとモチベーションを与える事も出来るのです。
最後に
業務改善提案をし、実施をして大きな効果があった。
しかしその方法は従業員に多大な負荷がかかり、次第に継続が困難になり元に戻ってしまった。
そのようなケースを山ほど目にしてきました。
コンサルタントを使った企業の中でも、理想的な改善提案をしてもらい、それを実施させ一過性の効果を生み出したが、いなくなった途端に元通りになってしまい効果がなくなった。
このような声をよく聞きます。
一過性の改善は非常に簡単です。ムリをすればどうにかなる範疇というのは存在し、そのムリは継続しない一番の要因となる。
だからこそ元通りになってしまう。
最も重要なのは一過性で大きな効果を出すのではなく、継続して確実な効果を出せる事です。
弊社では、「恒久的に続く効果」を出す為に継続出来る仕組みと継続出来るプランで改善を行う事をポリシーとしています。
そうする事で一つ一つ確実に前進する事と、本当の意味で効果がある改善にする事。
それが結果として本当の意味でお客様に喜んでいただけることだと信じているからです。
徹底してお客様の為に。
だからこそ、弊社が提供するコンサルティングサービスでは「継続」が前提として盛り込まれています。
継続するという事は非常に難易度が高い。ですがだからこそ効果は大きい。
その視点なくして「結果を喜ぶ」事は出来ないと考えているのです。
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