こんにちは。広島県の業務改善コンサルタントLEO大澤です。
本日は、社員の意識や行動が変わらないと嘆く経営者の方から多くご相談頂く『社員の行動を変える第一歩目についてどのようなアプローチが有効であるか』その中の1事例を紹介します。
基本的に現場は数字が嫌い
少し誇張したタイトルですが、私の経験の中では非常によく聞く言葉がこの『基本的に現場は数字が嫌い』です。
特に製造関係の現場によく関わらせて頂くのですが、製造現場では数分・数秒単位という時間軸で物事が変化します。
特に中小企業においては現場を数字で管理するという事が出来ていない場合が非常に多い。
理由について、以下の傾向に絞られます。
- 数字で管理するという点において重要性を感じていない
- どのように数字を扱っていいかわからない
- 忙しいので数字を取っている時間などない
- 多種多様な生産を行う為数字で管理など出来ない
経営側とすれば数字で管理をしたい。
しかしながらこれに踏み切る事がまずもって出来ない。実施したいがどのように着手すればいいのかわからない。
現場からすると、『数字で管理されたくない』という心理が働き反発するというのはよくある話。
また、管理者や経営者が『この数字を取って改善に生かそう』と提案しても『そんな数字取る時間が増えて仕事が増えるじゃないか。そんな暇があるなら少しでも生産する』という声もよく聞こえてきます。
どのようにして数字を管理するのがいいか
まず重要なのは『何の為の数字か』理由と根拠をしっかりと従業員に知ってもらう事が重要です。
その際に間違っても『現場作業員が多いように感じるから人を減らしたい。その為にどれくらい時間が生産にかかっているかを知りたい』などとは言わないようにしてください。
現場の方々からすると『時間を取られたくない』理由の一つに『暇だと思われる』や『もっと出来る事を証明する為』という点があります。
こういった心理面にもしっかりとした注意が必要です。
もし本当にそれが理由だった場合、『現場作業員に自ら時間を取らせる』という事はしないようにしてください。
妥当性のある数字にならないからです。
従業員の心理を理解しよう
前述した通り、従業員の心理面に注意するというのは非常に重要です。
何のためにとる数字なのか。このポイントは最も気になるところ。ここがうまく説明されていなければ様々な憶測が働きます。
『人員削減する為に時間計測をする』
『給料を減らすため??』
そしてこの際働く憶測というのはほぼ確実にネガティブな要素となるのです。
では、どのようなアプローチが正しいのでしょうか。
従業員への説明について
説明する際に重要なのは『その数字がポジティブな数字である事を示す』事です。
例えば、製造原価が高いと感じている。その為生産における現状工数を知り実態とあるべき姿の乖離を埋めたいと考えている場合。
『従業員の皆様が一生懸命働いてくださっているのにも関わらず、その働きに見合った販売価格になっていない可能性がある。みんなが頑張ってくれている事に経営陣としては全力で報いたいのだが、その為には根拠が必要となる。だから協力していただきたい』
というような表現にすると現場の方々は協力して下さる場合が多い。
現場の方々は日々目の前の仕事を必死でこなしてくれている。そのうえで良くしたいという気持ちはもともと持ち合わせています。
数字をトラッキングする上で必要なのは『なぜそれが必要で、それは自分たちの為である事』をしっかりと伝える事なのです。
取った数字の取り扱い方
最も重要な事であり、間違ってしまうとただの徒労に終わってしまうのは『数字を取る目的』と『それに応じた必要な数字の選定』です。
数字を取るメッシュや、正確性についても非常に重要な要素であり、それらをしっかり定義しつつどのような頻度で、その数字は誰がどういった形で纏めていくのか。
そして何に反映されるのか。ターゲットは?
こういった様々な要素についてもきっちり決めていく事が重要です。
数字をデータとして取り扱うのは勿論Excelとなりますが、従業員の方々に透明性をもったメッセージとして『見える化』することが有効であるといえます。
取った数字がどのように表現されて、どこに向かうべきで何をターゲットとしているのか。
例えば誰もが目に見えるところにグラフ化して掲示するなどすると従業員の方々も興味を持って確認するでしょう。
そしてその数字を生データとして現場の方々が日々グラフに線を引き、『昨日はこういう理由があって、こういう結果になった。今後ターゲットに向かう為にはこういう施策を実施して、こういう形で進めていこうと考えている』などミーティングを持つようになれば以降は間違いなく軌道に乗る活動になります。
ここまでもっていく為に最初の内は管理者や経営者の方々が興味を持ちこのミーティングに参加する事で多少の強制力を持たせる事も有効だといえます。
最後に
ここで述べさせていただいた内容におけるポイントは大きく分けて3つ。
- 従業員の心理をコントロールする事
- 取り扱う数字の定義を明確に
- ミーティングを持ち、現場の方々が自分事として興味を持つ事
です。
これらの数字が出そろい、今後の活動の指針を打ち立てる事が出来るようになれば現場力は著しく向上する上に経営としても明らかに有効な経営戦略を立てる事が出来るようになり、会社全体の歯車がかみ合うようになります。
小さな事でもこれを軌道に乗せるまでが非常に難しく、私がお手伝いさせて頂く企業様においても『ヒントが欲しい』や『どのように実行するのかまずやってみて欲しい』といった事が入り口となる場合が多く御座います。
私はPMOを最も得意としていることからこのような現場改善プロジェクト、ひいいては経営コンサルタントとしても数字に関しては非常に重きをおいています。
これらをまず触れるようにもっていき、最終的に経営数字の改善にまでもっていく『仕組み』を構築する事で少しでも経営者様の手助けになればと思い活動をしておりますので是非お気軽に声をかけて頂ければと思います。
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