ビジネスにおける考え方の一つ、MECE(モレなくダブりなく)について

MECEという言葉をご存知だろうか。

様々なビジネス書やロジカルシンキングを語るネット記事等の中で随所に出てくる言葉である為、耳にしたことがある方は多いだろう。

MECE(ミーシーまたはミッシーと呼ぶ)とは、Mutually Exclusive Collectively Exhaustiveの頭文字を取った言葉で、『漏れがなくダブりのない状態』を意味する。

物事を整理する時にありがちな『漏れ』や『ダブり』を出来る限りなくすというのはロジカルシンキングにおける基本的な概念とも言える。

ただし、このMECEだがやればやるほど答えがなくなっていく。完璧に捉える必要はない。MECEに物事を整理していくという事が重要なのだ。

MECEでないといけない理由とは

漏れていたらどうなる?

漏れがある状態とうのは『全体を定義できない』状況に陥る危険性があると言える。

会議で議論を尽くした場面を考えてみて欲しい。数時間の議論の末にあらゆるケースを想定した新プロジェクトの企画を立案した。

よし、これで行こうと決まったタイミングで『このケースについてはまだ議論出来ていない』という物が出てきた。

そしてそのケースは想定しうる限りプロジェクトに大きなインパクトを与える物であった。

そうして企画の練り直し、疑心暗鬼のまま『他にはないか』と更なる時間を費やし『漏れ』がないか確認をした。

前述したのは私が実際に体験した事がある『漏れ』の例だ。

本記事の冒頭に戻って欲しい。私は『完璧でなくてもいい』という表現をしたがその通りだ。

ただし、『インパクトがあるもの』や『大きな事』は必ず漏らしてはいけない。その上で枝葉を付け加えていくというのが『漏れ』を防ぐコツだ。

ダブっていたらどうなる?

次も私の体験談になるが、現場改善をする際に現状把握の為にWS(ワークサンプリング)を行った。

まず行動要素を分類して、10秒ごとに対象者数名を見てその瞬間に何をしていくかチェックをつけていくという作業を1日行ったのだが困った事が起こった。

分類項目として『工具を取りに行く』『工具を取って戻る』『工具を持って歩く』『クレーンを移動させる』等々細かく項目分けした。

漏れをなくそうとして出来る限り詳細に分けたのだ。

そうして臨んだWS。パッと対象者の一人を見た瞬間、『クレーンを移動させながら工具を持って歩いていた』のだ。これでは後の分析作業に支障をきたす(正確な分析にならない)為、その日はWSを中止して分類作業をやり直す事にした。

というのが私が若輩だった時の失敗談だ。しかしこのような事象はあらゆる場面で発生する。

MECEの例

MECEとは上記のような状態を言う。では、これを例にあてはめてみよう。

『学生』をMECEに要素分解してみる事としよう。

小学生、、高校生、大学生・・・学生と一言で言っても色々とある。

受験生というのも学生で定義出来る物かもしれない。

例えば以下のケースのようになった場合、MECEになっていない状況と言えるだろう。

このように要素分解してMECEに分ける事で問題に対する整理を行うという事は非常に有効な一つの『手段 』である。

ロジカルシンキングの基本であるが、前述した通りこれはただの『手段』の一つである。

使いようによっては便利にもなるが間違った使い方をすると底なし沼のように延々と考えるだけに時間を費やし、何の行動にも結び付かないという事態に陥る。

注意して欲しいのだが、計画は非常に重要である。しかし、行動をする為に『計画』がある。

行動に移さない『理論の構築』などは学者の先生方にお任せした方が間違いない。

少なくとも私はコンサルタントだ。

MECEに物事を考え、それを基に思考と状況を整理し戦略を打ち立てる。

そしてそれを実行に移す。そうして初めてこの『計画』は活きるのだ。

冒頭で言った通り『完璧でなくてもいい』。しかし可能な限り洗い出せ。これがMECEの極意だ。

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