<この記事はこんな方へオススメ>
・業務改善における問題抽出の手段を知りたい方
・特性要因図というフレームワークについて詳細が知りたい方
・特性要因図をどのように使えばいいか分からない方
特性要因図というものをご存知でしょうか。
特性要因図(とくせいよういんず)は、1956年に石川馨[1]が考案した、特性と要因の関係を系統的に線で結んで(樹状に)表した図をいう。魚の骨図(フィッシュボーン・チャート、fishbone diagram)、Ishikawa diagramとも呼ばれる[2]。
Wikipedia:特性要因図より引用
特性要因図とは、現在抱えている良くない状況についてその原因を明らかにする為のフレームワークの一つです。
汎用性が高く、様々な状況で使用が出来る事やシンプル且つ分かり易い為セールスやマーケティング、業務改善など幅広く使用されています。
特性要因図の作り方と使い方
1:魚の骨をイメージして
特性要因図はフィッシュボーン(魚の骨)と呼ばれる事もあります。
その名の通り、魚の骨に似た形状のフレームワークである事がその由来で、まずは以下の画像のような物をホワイトボードや模造紙、白紙の紙などに書いてみる所から始めましょう。
基本形は全てこのような形になります。特性要因図を多用する会社ではこの図をA0の用紙に印刷してストックしているような会社もあります。
2:問題と分類
基本形を書き終わると、次に問題点を明記しどのような分類に基づいて仕分けしていくかを決めます。
ここでは品質や業務改善でよく使う4M:Man(人)・Machine(設備)・Material(材料)・Method(方法)に仕分けてみましょう。
魚の骨の頭部分に問題点を明記する事で「何について掘り下げていくのか」を誰の目から見ても明らかにし、議論の方向性がブレないようにしましょう。
そのうえで大きな骨を要素として分類します。
これにより、後ほど要素分類を改めてする手間が省けますし、問題を掘り下げやすくなります。
この要素は4Mである必要はなく、例えば「大きな要因」を大骨として分類する場合もあれば、これに捉われる事のない大分類を設定する場合もあります。
3:それぞれの分類に紐づく問題を掘り下げる
ここからが実際の特性要因図を作っていく工程になります。
議論を進める中では沢山の意見が出た方がいいので、可能な限り色んな意見を出せるメンバーを集めましょう。
同じ部署の方だけが集まったり、問題の起因部署ばかりが集まっても固定概念に捉われ、本質の問題にたどり着けない場合もありますので「参加者の集め方」にも工夫が必要だと言えるでしょう。
上記画像のようなイメージで、問題を掘り下げていきましょう。
要素と紐づけ、色々な視点から要因を掘り下げていく事で、一人では、単一部署では辿り着けないような意見が出る場合もあります。
4:問題を深堀りして根本的な原因を突き止める
分類した要素の大骨に対して小骨となる要因が出てきたところで、そこから更に深堀をしていく事が重要です。
すると、幾つか被る項目も出てきますが気にせず進めてOKです。
それだけ多くの要素に影響を与えている問題と言う事で優先的に片付ける必要がある課題と言う事でしょう。
理想はこれ以上掘り下げる事が出来ない、というところまで掘り下げる事です。
その最も深い所が最も小さな、最も根本的な問題点の原因です。
このようにして特性要因図を作り上げていくのです。
問題を明らかにした後が重要
特性要因図で問題に対する要因が掘り下げられていった後には最も小さな骨の部分から改善を行っていきます。
優先順位付けをし、改善インパクトが大きく工数が少ない要因から潰していくのです。最も深い要因を潰す事でその上位にある要因も改善される事もあれば、他の問題が浮き彫りになってくることもあります。
しかしそれはきちんと問題に対してアプローチ出来ている事の現れでもあり、確実に一歩進んでいる事を意味しますので、前向きに取り組んでいきましょう。
問題を抽出し、改善案を立案し、優先順位を付け、改善を実行し、評価し、修正する。そして新たな問題にもこのPDCAを回していく。
これこそが改善の原点であり、確実な解決方法です。自信を持って取り組んでいきましょう。
最後に
本記事では特性要因図の使い方、そして問題の掘り下げ方を紹介していきました。冒頭でも紹介した通り、このフレームワークは汎用性が高く様々な問題に対して使用する事が出来ます。
直面した問題に対して、やってしまいがちなのは「これが問題のはず」と決めつけてしまい本当の問題を見過ごしてしまう事です。
本当の問題を見過ごしてしまったままで手を打った所で、必ずその問題は再燃します。
そういった事にならない為にも「本当にこれが根本的な問題なのか」を疑い、皆が納得し、自信を持って改善を進めていけるように特性要因図を使い、掘り下げた問題を共有してから改善に臨むようにしましょう。
弊社では必要な場面に応じてこういったフレームワークを利用し、根本的な要因を特定すると共に、以降も社内で応用できるような教育も行っています。
結果を出す事はもとより、このような教育を通じて会社としての底上げも期待できますので是非お問い合わせ頂ければと思います。
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