補助金を活用して事業を進める際、多くの補助金制度では「事業化状況報告」の提出が求められます。
これは、補助金が適正に使われたか、事業が継続・成長しているかを確認するための重要な手続きです。
事業化状況の他にも知的財産権の報告も行います。
適切に報告しないと、交付決定が取り消され、補助金の返還を求められる可能性があるため、慎重に対応する必要があります。
本記事では、事業化状況報告の目的、報告の流れ、作成のポイント、注意点について詳しく解説します。
事業化状況報告の目的
事業化状況報告の目的は以下の通りです。
1.補助金の適正利用を確認するため
補助金は税金を財源としているため、適切に活用されたかどうかを確認する必要があります。
2.事業の継続性・成長を把握する
補助事業が完了した後も、事業が継続し成果を上げているかを確認するためです。
3.政策の効果測定のため
政府や自治体は補助金の効果を検証し、次年度以降の政策に反映するため、事業の成果を報告する必要があります。
事業化状況報告の流れ
補助金の事業化状況報告は一般的に以下の流れで進めます。
1.報告時期の確認
補助金ごとに報告期限が異なるため、交付決定通知や補助金の手引きを確認しましょう。
事業再構築補助金の事業化状況報告書の初回提出期限は、補助事業が終了した年度の決算日から3か月以内です。
たとえば、事業年度が4月から3月で補助事業完了が2024年12月の場合、決算日は2025年3月31日のため、提出期限は2025年6月30日までです。
また、決算日が9月30日で補助事業完了が2025年6月の場合、2025年12月31日が提出期限です。
補助事業の完了日が決算日に近い場合、報告期限までのスケジュールに余裕がない可能性があります。
さらに、事業再構築補助金・ものづくり補助金では以降5年間も同様のスケジュールが続くため、事業化状況報告を行う際は、あらかじめ提出期限を確認しておきましょう。
なお、報告開始日は原則として各補助事業者の決算年度の翌日です。
開始日以降、GビズIDプライムアカウントに登録したメールアドレスに報告開始の案内が届きますので、提出期限だけでなく報告開始日も忘れずに確認してください。
2.事業化状況報告で提出する書類の準備
事業化状況報告では、損益計算書等の必要書類の登録が必要となります。
①損益計算書
②貸借対照表
③労働者名簿及び法人概況説明書
④製造原価報告書
⑤販売費及び一般管理費明細表(内訳)
⑥その他必要書類
必要書類は補助金によって異なります。
添付ファイルの形式は基本的に自由ですが、事務局側はPDFを推奨しているため、PDFで提出するのが望ましいです。
事業化状況報告を行う際は、事前に必要書類をそろえてから報告を行いましょう。
3.事業化状況報告システムにログインする
GビズIDを使用して各補助金事務局のシステムにログインし、項目に沿って入力します。
4.報告内容の入力
事業化状況報告では、以下について報告します。
- 事業化状況
- 知的財産権等
- 現在の取組状況
- 製品等の情報
順を追って詳しく説明します。
事業化状況
事業化とは、本事業で開発した製品の販売、又はサービスの提供に関する宣伝等を行った段階でのことを指します。
申請する際は次の5段階から選びます。
第2段階:注文(契約)が取れている。
第3段階:製品が1つ以上販売されている、又はサービスが 1 回以上提供されている。
第4段階:継続的に販売・提供実績はあるが利益は上がっていない。
第5段階:継続的に販売・提供実績があり利益が上がっている。
知的財産権等
「知的財産権等の譲渡または実施権の設定」の有無に関わらず、本事業で開発した技術や、本事業を通じて他社から取得した知的財産権等(取得財産等管理台帳に記載された財産)を活用し、補助事業者自身が出願・取得した知的財産権等がある場合は、入力が必要となります。
現在の取組状況
売上高や営業利益、人件費に加え、今後の事業化の見通しや補助事業にかかる諸経費など、補助事業の詳細を入力する必要があります。
製品等の情報
製品等の情報では「販売金額」や「補助事業に係る本年度収益額」など、損益計算書等をもとに算出します。
製品情報の入力後は、本年度納付額の確認画面が表示されます。
これまで入力した情報をあわせて、本年度納付額も確認しましょう。
なお、製品情報の入力時には、原価算出表の入力も必要です。
各経費項目について「補助事業の原価」および「従来事業+補助事業の原価」を入力し、算出根拠も記載します。
事業化状況報告は入力項目が多いため、報告期限に間に合うよう、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
申請完了後に報告内容に不備がある場合、事業化状況報告書が事業者へ差し戻されます。
修正を行う際は、事業化状況・知的財産権報告書の画面で、事務局からの「差戻しコメント」を確認しましょう。
事業化状況報告の作成ポイント
事業化状況報告をスムーズに作成するために、以下のポイントを押さえておきましょう。
1.報告内容を具体的に記載する
「売上が伸びた」「事業が拡大した」といった抽象的な記載ではなく、
-
「前年の売上1,000万円から1,500万円に増加」
-
「新規顧客が50社増えた」
など、具体的な数字を交えて記載すると、より説得力が増します。
2.補助事業の成果を強調する
補助金がどのように事業の成長に貢献したかを明確にしましょう。
-
「補助金で購入した機械によって生産効率が30%向上した」
-
「新しい販路開拓に成功し、売上が20%増加した」
など、補助金の効果を具体的に伝えることが大切です。
事業化状況報告の注意点
事業化状況報告を提出する際に注意すべき点をまとめました。
1.期限を守る
報告期限を過ぎると、補助金の一部返還を求められるケースがあります。
余裕を持って作成し、期限前に提出しましょう。
2.虚偽の報告をしない
補助金の目的に合わない使い方を報告したり、実績を水増ししたりすると、不正受給と見なされる可能性があります。
3.補助事業終了後も報告が必要な場合がある
補助事業が終わった後も、補助金によっては状況報告を求められることがあります。
事業再構築補助金・ものづくり補助金 <1回目を含め合計6回の報告>
小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金 <1回報告>
まとめ
補助金の事業化状況報告は、補助金を適正に活用したことを証明する大切な手続きです。
適切に報告しないと、補助金の返還や新たな補助金の申請に影響が出る可能性があります。
報告の際は、具体的な数字や写真を活用し、成果を明確に示すことが重要です。
また、期限を守り、正確な内容を記載することで、スムーズな手続きを行いましょう。
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