近年、働き方改革、DX(デジタルトランスフォーメーション)が政府の施策として推進されるようになり、企業を取り巻く環境は大きな変化が起きています。
多くの企業が業務効率化を目指す中、最も効率化の改善に取り組んでいる業務は「バックオフィス業務」です。
業務効率化を実現するためにはバックオフィスが抱える課題をよく理解することが大切です。
そこで、今回はバックオフィス業務でよく見られる課題と効率化するメリットについてご紹介します。
バックオフィス業務でよく見られる課題
(1)業務負担が大きい
バックオフィス業務はフロントオフィスのサポートや社内体制・環境の整備、各種事務手続きなど、広範囲な業務を担当しますが、フロントオフィスに比べて十分な人員が割かれていないというのが現状です。
また、フロントオフィスの従業員がバックオフィス業務を兼任している、といった企業も多いため、少ない担当者数で膨大な業務量をこなさなければならず業務負担が大きくなってしまいます。
とくに、決算や従業員の入退社、組織改編・人事異動などが重なりやすい期末など、時期やタイミングによってバックオフィス部門の業務負荷が急激に高まります。
接利益を生み出さないバックオフィスは、フロントオフィスに比べてリソース配分が少ないため、業務効率化や負担軽減が求められがちですが、問題は山積みとなっています。
(2)人材不足
バックオフィス業務は、繁忙期と閑散期で業務量に差があるため、人員配置が難しい傾向にあります。
仮に、人材不足によって業務の遅延や品質低下が発生した場合、企業全体の経営効率に影響が及んでしまうといっても過言ではありません。広範囲な業務を担当するには、適切なスキルを持つ人材を確保しなければならず、そのため人材のスキルアップや教育に時間を割く必要があります。
(3)業務が属人化しやすい
バックオフィス業務は、専門性の高い業務が多く集まっているため、特定の社員が長年担当しているというケースが多いです。そういった場合、知識やスキルが企業全体で共有されていないことが多く、経験豊富な社員が退職した場合、その知識やノウハウが失われるリスクが高まります。
前述のとおり、バックオフィス部門は業務負荷が大きいため、マニュアル作成や引継ぎができないという可能性もあります。
マニュアルや手順書が整備されていない場合は、担当者によって業務方法が異なるため、属人化が生じやすくなります。
業務が属人化してしまうと、業務の非効率化や品質のばらつき、ミスや不正などの問題が発生した場合も発見することができず企業損失に繋がる可能性が高まります。
(4)デジタル化・DXが遅れている
デジタル化を取り入れた企業も増えつつありますが、業務方法の変更が困難なことや、セキュリティ上の懸念などから書類の電子化やデジタルツールの導入が進んでいない企業も多いです。
デジタル化が進んでいないバックオフィスでは、紙ベースのアナログな業務が多く残っていることがあります。
紙の書類があるということは「手作業が必須」「書類の保管スペースの確保」「紙のコスト負担」などの問題が発生します。
デジタル化・DXが遅れると、業務の効率化や情報共有が十分に行われず、時間とリソースの浪費に繋がります。
バックオフィス業務は直接的な利益を生み出す部門ではありませんが、企業の基盤を支える重要な存在です。
バックオフィス業務の効率化やコスト削減を図ることができれば、最終的に企業全体の生産性や顧客満足度の向上につながります。
バックオフィス業務を効率化するメリット
ここまででよく見られるバックオフィス業務の課題についてご紹介しましたが、次に効率化するメリットについて触れていきたいと思います。
(1)生産性の向上
バックオフィス業務の効率化は、企業全体の生産性向上につながります。
たとえば、今まで手作業で行っていた業務を効率化することにより、マネジメントや管理体制の強化など、人でなければできない業務に人材を充てられるようになります。
定型業務が自動化されればコア業務に集中できるようになり、より付加価値の高い業務に注力できるようになります。
中小企業やスタートアップ企業では、従業員がフロントオフィス業務とバックオフィス業務を兼任するケースが多いです。
この場合においては、バックオフィス業務の負担がかなり軽減するため、フロントオフィス業務に充てる時間の確保に繋がります。
(2)コストの削減
バックオフィス業務の効率化は、コスト削減の効果も得ることができます。
さまざまな業務の自動化やファイリングを電子化するなど、バックオフィスのDX化によって業務効率化が実現できます。
今まで紙で行っていた業務をペーパーレス化することにより、紙代や印刷代・切手代といった消耗品費のコストも削減にも繋がります。
また、作業工数の最適化、業務負荷の改善により従業員の残業時間の短縮、余剰人材をフロントオフィス業務へ配置転換をすることが可能となるため、人件費の削減になります。
(3)ヒューマンエラーの防止
バックオフィス業務は、人間の目や手を使った定型業務、いわゆるルーティンワークが大半を占めます。
数値や文字の重複入力、データ集計ミス、見落としなどの人的ミスが頻繁に発生しやすい仕事と言えます。
業務を自動化、デジタル化することで、疲労や勘違いによるミスなどを防ぐことができます。
(4)属人化の解消
バックオフィス業務は、専門性の高い業務が多く集まっているため、特定の社員が長年担当しているというケースが多いです。
業務効率化でシステムを導入することで、業務手順が定まり、誰でも業務を行えるようになります。
業務手順の「見える化」・一律化を行うことで、一定の人物しかできないという属人化から脱却できるようになり、業務の非効率化や品質のばらつきを防ぐこともできます。
マニュアル化してあることで、急な人事異動などによる新任担当者への引継ぎも容易に対応できます。
バックオフィスによく見られる課題と効率化のメリットについて触れました。
自社で行う煩雑な事務業務にリソースを割くのが難しいという会社も少なくないと思います。必要な業務を必要なだけ、アウトソーシングをしてコア業務に集中する環境を作る。
そういった選択肢も重要ではないでしょうか。
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