ECサイト運営の業務内容と効果的なマーケティング方法

インターネットの成長とスマートフォンの普及により、オンライン上でお買い物ができる「ECサイト」からの購入者が増え、商品の機能・価格・口コミなどは比較サイトやSNSで自分に合った商品を選び、購入する流れが主流となってきました。
また、企業価値を上げていくためにも自社ECサイト構築は有効な手段と言えます。
事業者側にとっては実店舗を構えるだけでなく、世界中のユーザーを相手に商品を販売できるため、ECに参入する事業者は増加しています。

ECサイトの管理は、物理店舗の運営とは異なり、デジタルの世界で顧客と接するため、独自のアプローチが求められます。
サイト運営の成功は、商品のラインアップ、サイトのデザイン、決済システム、物流、カスタマーサポートなど、すべての要素がうまく機能することにかかっています。
ECサイト運営の基本的な要素を理解することが大切です。

今回は、ECサイト管理に必要な基本的な知識と実践的なアドバイスを紹介します。


ECサイトとは

まずはじめにECサイトとは『electronic commerce』の頭文字から来ており、日本語に訳すと『電子商取引』です。インターネット上に開設した商品を販売するウェブサイトのことを指します。

ほかには「ネットショップ」「オンラインショップ」などと呼ばれ、PCやスマートフォンを使用しインターネット上で商品を販売することができます。
利用するユーザーはインターネットに接続されたパソコンや、スマートフォン、タブレットでECサイトにアクセスし、欲しい商品をカートに入れて注文することで購入できます。

ECサイト運営の業務内容

ECサイト運営の業務内容は、
大まかにマーケティングが主軸となる「フロントエンド業務」やサポート中心の「バックエンド業務」の2つに分かれており、どちらも同じぐらい重要な業務です。
ECサイト運営の主な仕事内容は以下の7つに分類されます。

フロントエンド業務

  • 商品企画
  • マーケティング
  • Webサイト制作(商品撮影・加工・商品登録)
  • 集客・プロモーション

バックエンド業務

  • 顧客対応
  • サポーター業務
  • バックヤード業務

それぞれ詳しく説明していきます。

(1)商品企画

商品企画とは自社のECサイトで出品する商品群の企画、選別に関わる業務です。
特にECサイト上でさまざまな商品を扱うセレクトショップの業態に徹している個人や企業にとっては、サイトに掲載する商品次第で売上が左右するため、できる限り商品を慎重に厳選する必要があります。

自社のサイトコンセプトに合わせ、これから売れそうな商品、有名モールの売れ筋ランキング商品、季節やイベントに合わせた商品を徹底的にリサーチし、適正利益を確保するための価格設定や商品ラインナップを考案します。

近頃ではSNSのインフルエンサーが紹介して話題となっている商品をECサイトで売ると、販売の売れ行きが早いと言われているため、InstagramなどのSNSを活用した商品リサーチも有効です。

自社ブランド商品の場合は、ECサイトだからこそ売りやすい商品の選定、実店舗では動きにくい商品ラインナップの洗い出しを行います。

(2)マーケティング

ECサイトはインターネット上におけるデジタルコンテンツであることから、検索エンジンのキーワード検索操作一つで多くの類似商品と簡単に比較されてしまうケースが多いです。

そのため、商品企画の段階よりインターネット上で競合他社の選別、商品ラインナップや価格相場などの情報をリサーチし、自社のサイトが競合に負けないためのマーケティング戦略を練る必要があります。

(3)Webサイト制作・更新

ECサイトの運営上では商品登録作業やサイト更新の作業が随時発生します。

具体的には商品の画像と説明文を付けてサイト内に情報を登録する「商品登録」作業、バナー、キャンペーンページなどの制作、サイトページ更新作業などの業務が該当します。

ECサイトのデザインは、訪問者が快適にショッピングできるかどうかを決定づけます。
使いやすく、直感的に操作できるサイトは、顧客の離脱を防ぎ、購入に繋がるため、サイト内ナビゲーションや検索機能、商品カテゴリ分けなども重要です。

PCだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスでの表示を最適化することが必要です。
近年では、モバイルファーストの考え方が重要視されています。

【商品撮影・画像加工】
ECサイトでは、出品画像の質で売上の80%を左右すると言われています。
商品画像の撮影は外注することもできますが、出品画像の全てを社内で撮影するとコストも増すので、モデルを使わない程度の撮影は社内で行う方がベストです。
商品の特徴をわかりやすく、かつ最大限に魅力を引き出すために画像上に文字を入れるなど、さまざまな編集作業を行う必要があります。

【商品登録】
商品画像と商品説明文のデータをサイトに登録していく作業です。
販売する商品やサービスの情報は正確でなければならないため、商品ページには詳細な説明、価格、在庫状況、送料情報、画像や動画など、顧客が購買を決定するために必要なすべての情報を記載します。

(4)集客・プロモーション

ECサイトはプラットフォームを作って商品登録をすれば商品が勝手に売れていくわけではなく、
自社のサイトの存在を認知させ、顧客を誘導するための集客、プロモーション施策が必要になります。

Amazonや楽天市場などのショッピングモールに出店する場合は、モール側が保有する既存顧客からの集客がある程度期待できますが、独自ドメイン型のECサイトでは集客・プロモーションを一から自社で行う必要があります。

(5)顧客対応

顧客対応はECサイト運営において売上を左右する重要な要素となります。

ECサイトは顧客の顔が見えないデジタルプラットフォームのため「顧客対応」の品質を軽視しがちですが、顧客の顔が見えないからこそ実店舗よりも丁寧な対応が求められます。

また、オンラインショッピングでは、顧客が直接店舗で商品を確認することができません。
そのため、サイト上でのQ&Aやカスタマーサポートが必要です。
返品や交換に関するポリシーを明確にし、顧客が安心して購入できる環境を整えることが大切です。
万が一商品に問題があった場合でも、迅速に対応することで、顧客満足度を向上させることができます。

リピーターを獲得するためには、定期的に新しい商品を提供したり、リピーター向けの特典や割引を用意したりすることが効果的です。
さらに、定期購入やポイント制度を導入することで、顧客のロイヤルティを向上させることができます。
迅速で親切な対応が、リピーターを生む鍵となります。

(6)サポーター業務

サポーター業務とはECサイト運営において発生する事務業務全般を指します。
業務内容はサイトごとに異なりますが、顧客の受注管理、代金回収などが該当します。

【受注・顧客管理】
お客様から受注を頂いたあとは、サンクスメールの送付を行わなければなりません。
サンクスメールは注文のお礼を目的とするためだけでなく、注文内容、決済方法などお客様の注文情報に間違いがないかを確認するために欠かせないステップとなります。

また、一度ご購入頂いたお客様の情報の「顧客管理」もサポーター業務の役割です。
メルマガやキャンペーン情報を送付する際に必要なため、購入した商品の記録、年齢、性別などあらゆる特性をデータベース化し、大切に保管しておく必要があります。

【代金回収】
ECサイトは顧客から注文を受注して、商品をお届けするだけで完結するのではなく、お客様から商品代金を無事に回収して始めて社内の売上や利益につながります。

クレジットカードやID決済の場合は、カードや決済システムのオーソリ処理、銀行口座の入金確認、後払い決済の場合は与信枠のチェックなど、請求や回収漏れがないように適切に迅速に処理することが求められます。

(7)バックヤード業務

ECサイトにおけるバックヤード業務とは、商品の検品、発送、在庫管理などの仕事内容を指します。

ECサイトで販売する商品が注文された後、商品を迅速かつ正確に顧客に届けることができなかった場合、顧客満足度に大きな影響を与えます。
配送の遅延や誤配送を防ぐために、信頼性の高い配送業者と提携し、配送状況を顧客にリアルタイムで通知するシステムを導入することが求められます。

【検品・梱包・発送】
現物を目の前で確認できないECサイトでは、商品発送前の作業工程がサイトの質が問われる重要な作業となります。

商品に汚れ、キズ、破れ、危険物の混入などがないかを再度よく確認し、発送用に丁寧に梱包します。
配送業者の送り状番号にお客様の宛名、住所などを印字、もしくは手書きで必要事項を記入します。

【在庫管理】
ECサイトが活性化していると在庫状況は日々めまぐるしく変動します。
現在庫をよく確認し、サイトに入力する在庫状況と随時照らし合わせ、売れ筋商品の在庫切れや過剰在庫を防ぎます。
自動的に在庫の更新ができるシステムを導入することが望ましいです。


マーケティングと集客について

ECサイト運営において、集客は非常に重要です。
どんなに魅力的な商品を揃えても、誰も訪れてくれなければ売上は上がりません。
以下のマーケティング手法を活用して、集客を強化しましょう。

(1)検索エンジンの最適化(SEO)

SEOとは、ECサイトをGoogleや他の検索エンジンに正しく情報を認識させ、検索結果の上位に表示させるための施策のことを指します。

自社で行える最も効率的な無料の集客方法は、検索エンジンからの流入です。

自然検索からの流入を狙うには検索エンジンの上位表示を狙う必要がありますが、そもそもECサイトはSEO対策が難しいコンテンツのため、商品登録時に工夫をすることが大切です。

具体的には商品の特徴に関するキーワードを抽出し、商品登録時の商品名欄にキーワードを盛り込む、商品説明欄にも不自然でない程度のキーワードを散らしておくことが有効です。
そうすることにより検索結果に表示されやすくなります。

(2)SNSの活用

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、ECサイトの集客に非常に効果的です。
InstagramやTwitter、Facebook、TikTokなどで商品の魅力をアピールし、フォロワーを増やすことで、商品を多くの人々に認知してもらうことができます。
そして、認知度を向上させるためには積極的に投稿することが重要です。
SNSの有料広告の運用はGoogleよりも低予算で費用対効果も高いため、利用するのがおすすめです。

(3)メールマーケティング

顧客に対して定期的にメールを送ることで、リピート購入を促進することができます。
メール配信は自社で行えるため、積極的に行うべき無料の集客方法であると言えます。
新商品やセール情報を提供することはもちろん、顧客の購入履歴に基づいたパーソナライズされたオファーを送ることで、より高い効果が期待できます。

(4)広告運用

Google広告やFacebook広告、Instagram広告などのオンライン広告を活用することで、ターゲット層に直接アプローチすることができます。
効果的に広告運用を行うことで、短期間で売上を伸ばすことが可能ですが、費用はそれなりに高額なため、予算の設定やターゲティングが重要です。

(5)ブログやYouTubeなどのコンテンツ制作

自然検索での上位表示が難しい場合は、ブログやYoutubeなどの外部コンテンツを制作し、サイトへ誘導させるのも一つの手段です。
ショップ運営者ならではの商品の使い方やユーザーの疑問など、商品ページで伝えきれない情報をコンテンツでどんどん発信していきましょう。
コンテンツに共感し、サイトのファンになってもらえれば価格競争に巻き込まれないサイト独自の良質なロイヤルカスタマー(企業や商品・サービスに対して愛着のある顧客)を育てることにつながります。


まとめ

ECサイトの管理には、商品管理、サイトデザイン、決済システム、物流、マーケティング、顧客対応、パフォーマンス分析と、さまざまな要素が関わっています。
これらを効果的に運営することで、顧客の信頼を得て、売上を伸ばすことができます。
ECサイト運営の成功は、細部にわたる注意と継続的な改善が求められますが、これらの要素をしっかりと押さえた運営を行うことで、確実に成果を上げることができるでしょう。

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