皆様、こんにちは。広島県の業務改善コンサルタント、株式会社LEO-Makoto大澤です!
私が『改善』や『生産性向上』といったものと出会ったのは会社員であった前職の時でした。
最初は組立生産ラインに所属しており、日々のルーチンワークに追われていました。その内、作業に慣れてくると共に『如何に楽に早く仕事をするか』という事を考えていくようになり、不細工ながらも様々なツールを作ってみてはトライして失敗してを繰り返し、少しづつ自分が仕事をしやすいようにしていったのを覚えています。
今振り返るとその時行っていたそれらの行動は『改善』における本当に一番根っこの部分であったのだと感じます。
『改善』というのは読んで字のごとく善くするように改める事を指します。
当時私がそんな言語を意識する前に行っていた『早く、楽に』。これが改善というものの原点であると私は思うのです。
生産性向上とは
生産性(せいさんせい、Productivity)とは、経済学で生産活動に対する生産要素(労働・資本など)の寄与度、あるいは、資源から付加価値を産み出す際の効率の程度のことを指す。
一定の資源からどれだけ多くの付加価値を産み出せるかという測定法と、一定の付加価値をどれだけ少ない資源で産み出せるかという測定法が在る。
例えば1つの部品を2人で10分かけて製作していたとしましょう。
これを何かしらの改善を以てして1人で10分で作れるようになる、あるいは2人で5分で作れるようになるとすればそれは『生産性が2倍になった』と表現できるわけです。
私は特にこの『生産性向上』という活動を10年間程経験してきていますが、その経験において『生産性向上』という活動の難しさ、楽しさそしてその重要さを身に染みて感じてきました。
本記事においては、その非常に入り口の部分から事例を交えて紹介していきたいと思います。
事例> 組立ライン生産性30%向上
これが私が一番最初に携わった改善活動になります。
まだ改善というものに対する知識もなかった頃。現場班長を経て改善プロジェクトに参画した際に一番最初にアサインされたプロジェクト『現場生産性30%向上プロジェクト』です。
その会社では組立ラインとを10数個に分割して『班』とし、それぞれ班長さんが取り仕切っていました。
組立ラインはコンベアで繋がっており、1班が遅れると全てのラインが遅れるという組立工場ではよく見られるラインでした。
まさにその『よく遅れる班』を改善するのが私に最初に与えられたミッションでした。
まず私は以下の順にこのプロジェクトを進めていく事としました。
- 現状把握
- 現状分析・分類
- 問題点の抽出
- 対策の立案
- トライの実施
製造現場において、例えそれが自分の現場であったとしても正確に現状を把握している方は一握りではないかと私は考えます。
1作業単位に一体どれだけ時間がかかり、とあるオプションにはこれだけ追加で時間がかかり、というような情報は相当に整備された企業で標準として落とし込まれていない限りは『漠然と、感覚的にしか分からない』場合が多いのです。
そこでまず『何から手を付けるか』を決めるべく、『生産する頻度』と『それにかかる時間』において、ボトルネックとなっているであろう物から手を付けていく優先順位をつけて行きました。
それらを決めた後は、更に詳細に作業内容に切り込んでいきました。
当時はこんな形で1人1人のタイムスタディーをしていました。
※上記はあくまで例ですが
そしてこの中から”ムダ”な作業を省いていくという形で一つ一つ虱潰しにトライ&エラーを繰り返していきました。
現場で1日中作業を見ながら、現場で分析分類をしながらトライするに値する案を片っ端から試す。
作業する人が使いにくいと感じた物は絶対に使わず、作業しやすいようにその場で改良、出来たら即トライを繰り返していました。
この泥臭さは本当に重要で、今でも生産性向上におけるプロジェクトでトライを実施する時などは必ず現場で解決できる事はその日の内に解決させることを心がけています。
このような作業の繰り返しは効率が悪いかもしれませんが現場改善においては非常に即効性があり、成功も失敗も必ず結果が分かる点においては相当に重宝します。
ちなみに私はこの方法で過去10年間においてアウトプットが出なかった事はありません(結果の大きさは別として)。
現場改善にフォーカスしてはいるものの勿論平行して投資が必要な案件に対しての検討と計画は実施していますのでそちらも非常に重要になります。
このようにして日々少しづつ改善していく事と最低限の投資を実施して、結果この班においては3ヶ月で生産性30%を向上。
待たせる事は当然0になり、逆に待ってしまうようになった為1人キーパーソンを班から抜いて改善プロジェクトに参画して頂きました。
このようにして改善を実施し、結果が出た場所からは『活人』をするというやり方で2年程度。ほぼ全班において約30%の生産性向上を達成。
更には10人近くの次なる改善のキーパーソンとして活人を実施する事が出来ました。
感じた事
本記事では私が一番最初に携わった改善プロジェクトについて紹介しました。
基本的に改善の規模に依るところはありますが、流れはほぼ同じです。
- 現状を知る
- 問題点を発見する
- 改善策を考える
- 考えたアイディアをトライしてみる
- 良かったところは採用、駄目だったところは修正する
- 次の改善案をトライしてみる
この繰り返しです。
この中で勿論うまくいかない事や、どう進めればいいのかが分からなくなる事は多々あります。
私も山ほどそんな経験をし、時には失敗し、時には壁にぶち当たり。そんなのが95%で、何もなくすんなり成功は本当に5%程度の物でした。
ただし、そこで結果を出せるかどうかは95%の苦労を成功に変えていける努力が出来るか。諦めずに挑戦し続ける事が出来るかどうかだけだと思います。
私の辞書に『諦める』という言葉はなく、最後まで絶対に結果にこだわってきた事が今の私の正にバックボーンになっている部分です。
企業にとって生産性を上げていくという事は成長し続ける上で必須と言える事でしょう。
業務改善コンサルタントとして、特に組立生産現場における生産性向上においては絶対の自信をもっていますのでもしサポート出来る事があれば、お気軽にご連絡下さいませ。
では、次回は別の事例と併せて品質・安全改善についてもご紹介していこうと思いますので引き続きお付き合い頂きますよう宜しくお願い致します。
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