業務改善の入り口、『5s』から開始しよう。正しい知識と進め方について!

5sという言葉、知っている方は多いのではないでしょうか。自社でも推奨したい、実行したいという経営者の方や管理職の方の声もよく聞きます。

しかしながら、これを本当の意味で実行出来ている会社はそう多くはありません。

非常に簡単且つ単純な事なのになぜ進まないのか。そしてどうやったら進める事が出来るのか。

本記事ではこれらについてご紹介していこうと思います。

5sとは

5s

  • 整理(Seiri)
  • 整頓(Seiton)
  • 清掃(Seisou)
  • 清潔(Seiketsu)
  • 躾(Shitsuke)

これら5つのsを総称して5sという。

企業によっては、作法を追加したり食品工場においては殺菌と洗浄を加えて6sや7sを進めているところもあります。

ここにある5sが基本の5つとなりますので、本記事ではこの5つに特化して話を進める事とします。

では、それぞれの要素がどのような意味と役割を持つか。まずは理解を深めた上で具体的導入方法や導入時のコツなどをお話していく事としましょう。

整理(Seiri)

整理とは5sにおいて不要な物を処分する事を言います。

家でもオフィスでも工場でも、大別して4つのカテゴリーに分ける事が出来ます。

  1. 必要な物
  2. 使う事はあるが、使用頻度は少ないもの
  3. 使用しないが捨てるにはもったいない物
  4. 不要な物

これらの内、4番の不要な物に関しては躊躇なく捨てる事が出来ます。そして1番の必要な物に関しては捨てる事が出来ないという結論。この2点においては議論の余地はないでしょう。

一つ言葉を付け加えるとすれば、4番に関しては不要な物じゃないと言い張る方と不要だと言い張る方で意見が分かれる場合があります。ここに関しても進め方のコツを後ほどご紹介させて頂きます。

整理が進まない大きな要因一つとしては2番と3番の存在です。

この2番と3番をどのように整理していくか。これがまず入り口部分の『壁』です。後ほど解決方法の一部をご紹介する事としましょう。

整頓(Seiton)

ここで言う整頓とは探さない環境を作る事を指します。

自宅を思い浮かべてください。例えば、テレビのリモコン。あなたの自宅は整頓がされておらず、物があちらこちらに散らばっています。

そして、その中から探し出して使ってはまた別の場所にポイっと放り投げてしまいます。

とあるきっかけで毎朝決まった時間にテレビをつけて確認しなければならない事が出来てしまいました。それを怠ると一日の自分の行動全てが後手後手にまわってしまうのです。

さぁ、このような状況になった場合、あなたはどのような行動を起こすでしょうか。

恐らく、絶対不可欠なテレビのリモコンだけでも決まった場所に分かり易く置く事でこの問題を解決する方が多いでしょう。

これが整頓です。

清掃(Seisou)

清掃とは単純に掃除をする事と理解されがちですが、半分正解・半分不正解です。

ここでいう清掃というのはきれいな状態を保った上で異常に気づく為の点検をする事です。

私の過去の経験から例を挙げると、全く清掃がされていなかった工場の生産工程がありました。そこで5s導入を開始し、清掃の段階で生産設備の裏を見ると電源の周辺が埃にまみれていて、しかも電線の被覆が一部剥がれていました。

もしこれが数日遅かったらと思うとゾッとします。

他にも別の工場では、毎日の清掃を開始して数日後。設備を固定するボルト周辺を拭いている時にボルトの緩みに気づきました。

その設備は重量物を吊り上げたりする設備だった為、もし清掃を怠っていたら設備が破損していたばかりか労働災害に結びついていたかもしれないといった危険があったのです。

このように、清掃の本質は『異常に気付く事』なのです。

清潔(Seiketsu)

清潔とは整理・整頓・清掃された状態を維持する事です。

前述までの3sを導入する事自体は決して難しくありません。一過性でやるだけならトップダウンで1日だけ時間を割いてしまえばやれない事はないでしょう。

しかし3sを行う事で得られるのは一時的な見せかけであり、継続する事はありません。

業務改善もそうですが、維持継続するという事にこそ難しさがあるのです。

そして、維持継続できる会社だけが5sや業務改善がもたらす本当の効果を得る事が出来るのです。

この本当の効果については後述する事にしましょう。

躾(Shitsuke)※仕組み化(Shikumika)

5sの最後は躾です。これは、前述した3sまでが会社として定着し風土となるまでに落とし込まれる事を指します。

しかし、私はこの躾という表現があまり好きではないのでよく『仕組み化』という表現に置き換えています。

意味合いは同じです。会社として、守れる環境・風土・仕組みへと落とし込める全員共通の認識である事。これこそが5sの最後の『s』であれば、私としては仕組み化のほうがしっくり来るし、現場の皆様と話がしやすい。

だからこそこの言葉を使用しています。

表現や言葉のチョイスというのは受け取る側にとってとても大きな意味合いを持ちます。私は現場で作業していた頃、この躾という言葉に大きな違和感を抱いていました。

私がそう思うという事は世の中に他にも同じように考える方もいらっしゃるのではないかと。勝手な解釈ですが。

分かり易い、英語の5s

ちなみに英語での5sは以下のように分類されています。

英語の5s

  • 整理(Sort)※分類する
  • 整頓(Set in order)※正しい位置に置く
  • 清掃(Shine)※輝く
  • 清潔(Standardize)※標準化
  • 躾(Sustain)※維持する

これは5sの各項目を英訳したものではなく、解釈を英語化したもので特に清潔と躾の英語表現は日本語表現よりもはるかにしっくりきます。

実践、5s導入のコツについて!

では、ここからは5s導入に向けて実際にコツや進め方を見ていきましょう。

整理:定義を作ろう

まず、整理を行う上で必要と不要の定義を決めていきましょう。

例えば①毎日使用する物②1週間に一度使用する物③1か月に一度使用する物など。

会社によってその物の使用頻度が高いか低いかの判別は違うはずなので会社としてルールを設定する事をお勧めします。

上記のような形で『必要な物』と『不要な物』の定義を決めると、その中でも使用頻度が低い物も自然と炙り出されるので、そこで使うけど使用頻度が低いものも同時に定義しましょう。

定義したら

<必要な物>
現場及び作業スペースの近くで保管

<使用するけど頻度が低い物>
倉庫や保管スペースなど、現場から隔離した場所で保管

<不要だけどもったいない物>
廃棄

<不要な物>
廃棄

このように処理していきます。特に、不要だけどもったいない物に関しては廃棄を躊躇う場合が多いでしょうが、不要な物をいつまでもとっておく必要はありません。改造して使えるようにするなどほかの選択肢もありますが、本記事内では一括して『廃棄』と表現する事にします。

整頓:分かり易い・片付けやすい

整頓のコツは、『分かり易い』と『片付けやすい』です。

まず分かり易いというのは、専用の置き場であり、それが明示してある状態です。区画線で区切ったり、表示をしたりと明確に置き場が決まっているようにしましょう。

そして次に『片付けやすい』。これが重要です。

よく5sを実施する際に『取りやすい』置き方に注目されがちです。生産性向上の観点から言うと間違ってはないのですが、例えば『取りやすいが片付けにくい』置き方をしている場合間違いなく、置きやすい場所に戻します。

これでは本末転倒。片付けやすい場所・置き方を意識しておくことで整頓された状態を維持できます。

バランスが重要にはなりますね。

清掃:点検簿を作ろう

清掃は最初の内はチェックが必要です。自主的にやってもらえれば、と考える経営者の方は多いだろうがそれでやってくれるならどこの会社でも出来ているし困っていないでしょう。

文化に、風土に定着するまではその仕組みが重要です。そしてそこまでもっていく為には必ずチェックし、出来ていれば褒め・出来ていなければ理由を聞きやってもらうよう促す。この地道な確認作業こそが最も重要な仕組みづくりの第一ステップなのです。

清潔・躾

前項、清掃部分でも記述した事がとても重要な事となります。

仕組みを作る、文化として活動を定着させる。これらにとって最も重要な事は経営者・管理職の方々も一丸となって取り組む姿勢。

現場で実施している事をきちんと見て、褒める。叱る。教える。このようにして向き合い、根気強く活動を支える事でしか文化として確立させる事は不可能です。

これは精神論ではなく、経営者・管理職・現場作業者が一丸となって目標を達成する為に必要な手段の一つである事をきちんと考える事があるのです。

まとめ

5sに関する知識、そして実行する為のコツや進め方の一部を紹介させていただきました。

実行する上でまず前提となるのは『何故5sを実行する必要があるのか』を従業員の方々へちゃんと説明してから始める事です。

私がお手伝いさせていただく際には必ず全従業員の方、もしくはキーマンとなる方へ5sに関する説明と実行する意味。実行する事で得られるメリットをお話してから開始します。

また、モデル職場を徹底的に作りそれを横展開していくなど展開方法も様々な経験がありますので興味があれば是非一度ご相談下さい。

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