5sの最後のS、「躾」について徹底解説!

5s活動は企業における改善活動の中でも重要な役割を持つ事は私の過去の記事でも説明してきました。

過去の参考記事

5s活動を通じて、生産効率の向上や安全性の向上、品質の向上などの定量的且つ目に見える効果と従業員の改善知識の向上やモチベーションアップなど企業としての基礎力の向上も狙えます。

過去にご紹介してきた記事で5つある5sの要素の内、4つをご紹介させて頂きました。

そして今回が最後のS、躾のご紹介となります。

最後までご覧になって頂き、少しでも皆様のお役に立てて頂ければ幸いでございます。

5sの「躾」とは

それでは早速ですが、皆様は「躾」という言葉を口に出して説明する事が出来ますか?普段から子供の躾や部下の躾などに奔走している方々からしても、言語化するのは中々難しいのではないでしょうか。

①(「躾」はからだを美しく飾る意の国字)子供などに礼儀作法を教えて身につけさせること。また、身についた礼儀作法。 《躾》 「 -の厳しい家庭」 「店員の-が悪い」

https://kotobank.jp/word/%E4%BB%95%E4%BB%98%E3%81%91%E3%83%BB%E8%BA%BE-283405
コトバンクより引用

コトバンクによると、躾をこのように表現しています。
しかしながら5sにおける「躾」とはこの表現とは若干意味合いが異なります。

5sにおける「躾」の意味合いとは、維持する事。習慣化した状態の事を指します。

まだ少し分かりにくいですね。

今回ご紹介させて頂く「躾」というのは今までの4sとは少し色が違います。
どういう意味かと言うと、これまでの4sは何かしらのアクションだったのに対して今回の「躾」というのは状態や結果の事を指す為、このような表現をしています。

では、詳しく掘り下げていきましょう。

「躾」が出来ているという事は

これまでにご紹介させて頂いた4sを少し振り返ります。
それぞれのSについて、一言で表すと以下のように表現する事が出来ます。

  • 整理:分類と不用品の廃却
  • 整頓:効率化と可視化
  • 清掃:キレイな状態を作る。異常の発見。
  • 清潔:標準化

まず整理を行う事で要る物、要らない物、要るけど使用頻度が低い物を分類し、不要な物を廃棄。要る物だけを手元に残します。

その後、整頓により何をどこに置くのかを明確にし、取り出しやすい状態や戻しやすい状態を作り上げます。

清掃を実施し、異常の早期発見やきれいな状態を作り出します。

そして清潔という名のもとに上記3sを標準化し、定着させます。

この流れこそが、5sにおけるアクションの流れ。

そして、全従業員にこの活動が理解され、当たり前に持続され、どんな時でもこういった活動が徹底されるような会社としての状態が「躾」が出来ている状態。つまり結果となります。

「躾」をするというと少し言語化すると躊躇する部分もあると思います。
しかしそうではありません。ここで言う「躾」とはこれまでの5s活動が企業文化として定着した状態の事を言うのです。

「躾」が出来ている状態にするためには

これまでの4s活動の手を緩めない事というのが一つの答えです。

整理・整頓・清掃という3sは特に一過性の物になりやすい活動です。
トップダウンで5sの実行という命が下ったとしても、教育されていない現場で実行できるのは最初の3sまで。

そして、その3sすらも中途半端な実行になりがちです。
これは従業員の方々が悪いわけでは決してありません。

絶対的に必要なのは5sというものに対するきちんとした知識と、それを遂行する事により得られる効果の認識。

そして、具体的な標準。つまり清潔の定義です。
要る物、要らない物、要るけど使用頻度が低いものという物はどういった基準で分類を行うのか。

整頓された状態の指標はどのような物か。

清掃された状態はどこをよしとするのか。

こういったアクションに対する標準を定めていき、その標準を常に守れている状態にするために管理者と従業員が一体になり、清潔を保つ事。

ここまでの流れを一つの仕組みとして落とし込まなければなりません。

管理者の方は時に厳しく注意し、出来ていれば精一杯褒める。
誰もが5s活動に本気で取り組み、意識をする。

そういった風土が出来て初めて「躾」が出来ている状態が出来上がると言えるでしょう。

最後に

今回ご紹介させて頂いた「躾」はある意味で最もハードルが高いと言えますが、ここに至るまでの4s活動に対しどう向き合い、どのような教育をし、どういった取り組み方をしてきたかが重要となります。

つまり、5s活動を始めるに当たり管理者側や推進者側が持たなければならない思考の一つとして、逆算して活動を始めるという事が重要視されます。

「躾」された状態はどういったレベルか。
「清潔」をどういった基準とするか。

だからこういう「清掃」になり、「整頓」になり、「整理」になる。
そういった道筋が明確になっていれば、5s活動を始める際に従業員の方々へはっきりとしたビジョンを示す事が出来るのです。

世の中には5s活動に積極的に取り組み、大きな成果を残している企業がたくさんあります。

異業種交流会や工場見学などをさせていただき、そういった好事例を実際に見て、どういう取り組み方をしているかなどの質問をぶつけてみるのもいいでしょう。

何れにしても、5s活動に取り組む上で必要な基準設定をするためにはそういった成功事例や外部コンサルタントのノウハウというものが非常に大きな意味を持ちます。

有効活用して、まず社内で事例を作った後に自社で展開していくという選択肢も十分に考えられるのではないでしょうか。

弊社では過去に多くの企業様の製造現場やオフィスで5s活動を実施してきました。
時には「当たり前」と思われる事や、「面倒」と思われながらも習慣づいた後にお伺いさせて頂いた際には「こういう整頓ツールを自作しました」や、「社内で定期的に5sの評価会をやっています」という嬉しい声も頂きました。

5sを実行する事で、その時は不慣れである事から窮屈だと感じる方は非常に多いものです。

しかし、もう少し先の未来を見据えた時に生産効率や作業環境。品質や安全。そして社外の方々からの評価などにおいて大きな意味を持つのが5s活動です。

是非積極的に取り組んでいただき、企業様にとって大きな成果に繋がる事を期待しています。

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