「従業員が改善意見を出してくれない」という悩みが尽きないのは何故か。その理由と対策について

従業員が改善に関する意見をだしてくれない

このようなお悩みを抱えている経営者の方や現場管理者の方が非常に多いのをご存知でしょうか。
これは、大手・中小問わず多くの会社で起こっている事です。

何故、このような状況になっているのか。その理由について考えた事はありますか?

起こっている事象には必ず原因があり、原因があるという事は解決出来るという事です。
だからこそ、「原因」を知り、向き合う事が解決への最初の一歩となるのです。

本記事では、事例も交えながら「何故従業員の方が改善の意見を出さないか、出せないか」という理由について掘り下げていきます。

そして最後に、「だからどうする」という解決案についても一部お話したいと思いますので是非最後までお付き合いくださいませ。

何故意見を出してくれないの?

現場の声1)意見を出してどうなるんですか?

「これまでも意見をくれと言われて何度か出しました。でも何も変わらないばかりか、僕が出した意見が結局どのように扱われたのかも分からない。どう思われたのかも分からないんです」

意見を出してくれというトップからの言葉に対し、何らかの意見を出したにも関わらず出した意味がなく再び何度も同じように「意見をだしてくれ」と言われる。

これが何度も繰り返された結果、「意見を出してどうなるんですか?」という発想になり、意見が出なくなる。

本当にとても多いケースです。

こういった言葉が出る会社では、経営や管理側と現場とで信頼関係がない場合がほとんどです。
だから業務改善が進まない。トップダウンで業務改善に着手してもその場限りの「改善したふり」で継続せず、すぐに元通り。

こんな悪循環に陥っている場合が極めて多く、一度このような状況に陥るとなかなか脱却するのは難しいのです。

現場の声2)空気読まないとダメでしょ

「意見があっても、周りの先輩や特に現場で力を持っている古参の方が発言していないのに僕が発言したら目つけられるじゃないですか。空気読んでうまく立ち回らないと現場じゃやってけないですよ」

これもとても多い理由です。

現場では、周囲の先輩や現場で力を持っている人は絶大な力を持ちます。こういった方々が何も発言しないのに自分が発言するというのは「リスク」でしかありません。

もし、先輩方と違う意見を発した場合、どのように思われるのかわかったもんじゃありません。
こういった非常に悪い環境にNoをつきつけても仕方ありません。だって現実としてあるんだから。

もっと、意見の集め方の方を工夫して欲しい。これが現場の生の声です。

現場の声3)いや、こっちに何か言ってくる前にそっちでなんとかしてよ

「いつも現場にあれしろこれしろと言ってきますけどね。現場は日々忙しいんですよ。会社として人入れたり設備入れたり道具買ったり出来る事たくさんあるでしょ。なんで分かってくれないかなぁ」

現場はいつも大忙し。そんな中で生産効率あげろ、品質をあげろ、残業時間を減らせ。でも人も増やさない、設備もそのまま、休日出勤なんてもっての外。

どうすればいいんですか。これも現場の声として多く上がる内容です。

現場が多忙な中、本部や本社、経営層などからの要求が多いほどこういった声があがります。

「今は設備投資できない、人員を増やしたらまたお金がかかる」などと言った経営側の想いは現場には伝わりにくいのです。何故なら、見ているものと得ている情報が現場と経営では全く違うから。

「こっちは必死でやってる。そっちも何かしろよ」

これもまた現場の声です。

現場の声4)メリットがない。現状維持が楽。

「意見だしてくれって言われても、今のままが一番いいし仮に変わっても残業減ったりすると生活が困るんだよ。改善したところで別にメリットもないなら誰も何もやらないでしょ」

現場改善が進んで効率がよくなった後は一体どうなるの?という不安が従業員からは必ずでます。

そこに対して何のイメージもせず「改善して効率をあげて人を減らそう」などと言った日には誰も協力なんてしてくれません。

人が減らされるかもしれない=雇用に対する危機感や自分に今より負荷がかかって忙しくなる
効率がよくなる=残業が減って生活が苦しくなる

このような印象をみんな持っているからです。

業務改善で得られる効果に対してその先にある従業員の未来をクリアにしてあげなければ誰も協力なんてしてくれないのです。

現場の方が積極的に改善の意見を出してくれる会社とは?

事例1)やり切る事が出来る

改善のみならず、何かを始めたら最後までやり切る事が出来る会社は次々と意見が出てきます。

それが成功であっても失敗であっても、出た意見にきちんと向き合い、やり通す事が出来る。

現場へただ「意見を出してくれ」と言った場合、最初のうちは存外たくさんの意見をだしてくれます。それらの意見に対して何も手をつけず、「意見を出しても意味がない」と思わせてしまうからこそ意見が出なくなるのです。

また、出した意見に対して何か動きをかけたとしてもそれが途中で頓挫してしまう。これも意見が出なくなってしまう要因です。

まずは現場の数名を代表として集め、いろんな部署の方も含めて意見を発散し、収束する。
その上で何を改善のテーマとして取り上げるのかを決めるといった方法をとるといいでしょう。

こうする事によって「今回、議論の上議題にはあがらなかったけど次回はこの案件に向き合おう」といった形で意見を出してくれた人に回答が出来るのです。

簡単な事のように感じますが、なかなかできている会社は少ないので是非実行してみてください。

事例2)目安箱を設置している

自分の口から言葉を発してしまうと周囲の方に何を言われるか分からない。どう思われるか分からない。

このような閉鎖的な環境にならない風通しのいい社風を作り上げましょうと理想論を掲げる場合は多いですが、そんないきなり変わるものではありません。

だからといって諦めて何も手を打たないのかと言われればそうではなく、意見を吸い上げる単純な仕組みを提供してあげればいいのです。

私が関わった企業の中には「何もなくても提出する事」を義務付けた目安箱を設置していた企業がありました。

変化を嫌う人は勿論白紙で提出するのですが、潜在的に変えたい事がある場合は意見がここで出ます。そして白紙でも提出する事を義務づけているので目安箱に何か入れていても誰も疑問を持ちません。

匿名だったり、記名式だったりとやり方はたくさんあると思いますが、意見を出せない雰囲気を打破する為にもまずはこのような形で意見を吸い上げるというのも一つの手と言えるでしょう。

事例3)様々な経営状況や数字を社内で共有する

賛否はありますが、実行している事でうまく行っている会社もあります。

今の経営状況がどのようになっていて、どの部署がどういった取り組みをしなければならないのか。そしてその目標値はどの程度のものなのかを社報やお客様に見えない社内の共有掲示板などに開示します。

「こういう状況だから、こういう取り組みをして、その目標はこうなんだよ」

という事に対して透明性を持たせる事で、「なるほど、じゃぁ人員を増やすんじゃなくてやっぱり今いる人間で更に生産量を確保する方法を考えないといけないな」などというイメージを持っていただける。

そしてそれが具体的であるからこそ、意見が出るようになるといった事例です。

この企業では、こういった情報開示を初めてから2年後には各部署が目標に対して今どのような状態であり、どういった行動が必要かを朝のミーティングで部署ごとに話し合う場を持つにまで至りました。

事例4)業務改善を仕事の仕組みとして取り入れる

残業時間が減る、やってもメリットがないと言った声は結構な頻度であがります。

私が関わった企業の中には、業務改善を人事評価制度の中でも中枢においた会社があります。

その会社では業務改善を進める事で得られた実質効果の一部を社員へ還元するなどといった取り組みもしており、改善臨時ボーナスが出る場合もありました。

また、業務改善が人事評価のど真ん中にあるので業務改善を頑張れば頑張るほど評価と給料のベースが上がり、昇進もしやすいというところまで落とし込んでいました。

必然的に改善は相当な勢いで進み、誰もが常に改善に取り組んでいるといった状況を作り出したのです。

こうなればしめたもの。会社としては常に成長し続ける事で利益も右肩上がりとなっていったのです。

意見が出ないのは現場のせいではなく会社のせい

本記事でもご紹介させていただいた通り、様々な意見が出ない理由があります。しかしどれをとっても会社の動きや働きかけ一つで意見が出るように変わるのです。

現場の方々から意見が出ないのであれば、それは会社のせい。じゃぁどうやったら意見が出るようになるか。

このような思考で物事を進める事で確実に意見は出ますし、改善も進んでいきます。

経営側と現場側では見ている景色も得ている情報量も大きく違います。

だからこそ、より多くの情報をもっておりより会社を変える事が出来る側が何らかの手を打たなければならないのです。

どうしようもない場合は外部を使う

既に何度も意見出しを求めて、その度にことごとく改善に繋がらなかった場合、新たにもう一度意見を求めても出る事はないでしょう。

「いや、何回も同じ事言ってるんですけど」

「前出した意見はどうなったんですか?」

こんな正論があちらこちらから飛び出す事でしょう。

こうなっている場合は、外部の専門家をうまく使いましょう。意見を出すノウハウを持っている場合もあれば、外部の専門家を入れる事で「お、今回は本気で変える気だな」といった印象を持たれれば意見も出やすくなります。

重要なのは今までとは違うぞ。

こう思ってもらう事。そうする事で意見が再度出るばかりか、専門家であればそういった意見をどのように発散・収束させてどんな対策を打ち、改善を進めるのかといった所にまでアドバイスをくれるはずです。

最後に

今回は「従業員が改善の意見を出してくれない」と言ったお悩みについてご紹介させていただきました。

ここでご紹介させていただいたのはほんの一部ではありますが、幾らか共感していただける部分もあったのではと思います。

今後もみなさまの「何故?」に対する事例や参考になる対策案についてご紹介していきますので是非またご覧になっていただければ幸いです。

また、弊社は業務改善コンサルティングを提供する会社として大手・中小の多くの企業様をサポートさせていただいております。

意見の集約の仕方やそこから改善を立案し、実行するまで。フルサポートさせていただき、確実な効果を出すのと同時に従業員のモチベーション向上ややる気の向上を促進していく事を得意としております。

興味を持っていただければまずは一度無料でご相談してください。

少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。

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