<この記事はこんな方へオススメ>
・目標設定や問題抽出を体系的に行いたい方
・ロジックツリーという言葉は知っているが内容について詳しく知らない方
・ロジックツリーとはどのような種類がありどう使うのか知りたい方
業務改善を進める中でも場面に応じて、様々なフレームワークを利用する事で物事を的確に把握したり、根拠と紐づけて確度を上げたりすることが出来ます。
重要なのは「場面に応じて」使用する、しない。または使うフレームワークをきちんと使い分け出来る事です。
フレームワークばかりを学び、実践経験が少ない方はとかく多くの場面でフレームワークを使用したがるケースがありますが、フレームワークというのはただの手段でしかなく、必要な場面でのみ効果を発揮するという事を忘れてはいけません。
本日ご紹介させて頂くフレームワークは「ロジックツリー」です。
本記事では「ロジックツリー」というフレームワークが一体どのような物でどういった場面において有効か。
そして使う事でどのような効果が出るか。
最後に使用する際の注意点という大きな3つのテーマに絞ってお伝えしていこうと思います。
ロジックツリーとは
ロジックツリーとはどういうものか
ロジックツリーとは、このような形状をしており、問題の原因特定や目標設定、問題解決に至るまで様々な場面で使用する事が出来る便利なフレームワークです。
ロジックツリーを作成する際には、まず左端に分析したいメインとなるテーマを配置。
その要因として挙がる物をMECEの考え方で掘り下げていくというのが作成のコツです。
※MECEについては以下の記事で紹介していますので参考にしてください。
ロジックツリーはどのような場面において有効なのか
ロジックツリーと一言で言っても様々な種類があります。
- Whatツリー(要素分解ツリー)
このロジックツリーでは要素を網羅的に把握する為に用います。 - Whyツリー(原因追及ツリー)
このロジックツリーではある問題に対して原因を挙げていき根本的な原因が何かという事を特定する為に用います。 - Howツリー(問題解決ツリー)
このロジックツリーは解決したい問題に対して解決策を掘り下げていく事でアクションプランを作成する為に用います。 - KPIツリー
KPIとはKey performance Indicaterの略で、日本語に直すと重要業績評価指標を指します。このロジックツリーでは大きな目標値を決めて、それを達成する為に必要な各指標を設定していく事で、「これらを達成すれば大きなテーマが達成できる」というような用い方をします。
このように、ロジックツリーの中でも得たい結果に応じてその使い方を変える必要があるのです。
使う事で得られる効果は
Whatツリーの効果
Whatツリーでは要素を網羅的に把握する事が出来ると説明させて頂きました。
例えば「車を購入したい」という点において車種を決めていく際にはまず車のタイプ(軽自動車・普通車・大型車)などの分類をします。
次にそれらタイプにはどのようなものがあるのか例えば普通車で言えばセダンやミニバンなどが掘り下げられます。
そしてガソリン車かハイブリッド車か、電気自動車かなどの分類が為され、だから〇〇という車種というように要素ごとに分解していく事で最終的に自分の選択肢を絞っていく事が整理出来るという効果があります。
Whyツリーの効果
Whyツリーでは根本的な原因を特定する為の物であると説明させて頂きました。
5sが進まないという問題に対して、何故という観点で掘り下げていき、根本の原因を突き止める事で「ではどうするか」という事に着目する事が出来る問題発見の効果があるツリーです。
Howツリーの効果
Howツリーでは、こうしたいという目標や問題に対して改善策を列挙していく手法です。
5sを有効に進めていきたいという目標に対して、ではどうするかという改善案を掘り下げていく事でまず何から着手するかという具体的アクションプランを明確にするという効果があります。
KPIツリー
KPIツリーでは大きなテーマに対する目標値を設定し、それに紐づく小項目の目標値を設定していく事で一つずつ確実に大きなテーマの目標値を達成する事が出来るという効果があります。
全体として期待出来る効果
全体感を可視化し把握する事で論点のズレや認識のズレをなくすという事が非常に大きな効果として挙げられるでしょう。
認識のズレが起こってしまうと以降のプロジェクト遂行時に時として大きな問題を抱えてしまい修正が困難になる事もありますのでそういった観点でも非常に有効であると言えるでしょう。
また、可視化出来、問題やアクションプランを列挙する事により優先順位をつけやすいという効果も期待されます。
ロジックツリーを使う際の注意点
MECEに注意せよ
MECEとは漏れがなく、ダブりがない状態の事を言います。
ロジックツリーを作っていく際に、複数個所に漏れがあったりダブりがあるとうまく本質の部分にたどり着く事が出来ないので要注意です。
分類として、20代~30代・30代~40代などと分類すると、30代の判別が曖昧になってしまいます。書いている人がたとえ前者が21歳~30歳まで、後者が31歳~40歳までの事だよと言ってもそれが誰の目に見ても明らかでない場合、表現をただした方がいいでしょう。
関連性はあるか
例えば5sが進まないという問題点に対してWhyツリーを作成していった場合。
「5sが進まない」のすぐ右に「残業が多いから」が来るとこれは頭の中で既に咀嚼された主観的な固定概念であると言わざるを得ません。
逆から読み上げた時に「残業が多いから5sが進まない」それとこれとは話が別です。
「5sが進まない」の後に「5sをする時間がない」、「生産が追いついておらず残業時間もフル生産しないと納品が遅れる」というようになるのが正しい流れと言えるでしょう。
掘り下げる事が出来ない所まで掘り下げてみる
例えばHowツリーでは一番最後が「行動」になるまで掘り下げる、Whyツリーではこれ以上掘り下げる事が出来ないという所まで掘り下げる必要があります。
ロジックツリーを作っていく上で「これが答え」と頭の中で持っている幾つかの要員にたどり着いた時点で満足してやめてしまう事が多々あります。
それでは何も変わりません。ただやったという自己満足で終わってしまう。
基本的にはそこからが始まりです。
その原因は何か。それを実行する為に何をしなくてはならないか。などといった視点が重要になってくるのです。
最後に
ロジックツリーに限らず、フレームワークは「使いようによっては」非常に有効な武器となります。
しかしながら目的に沿っていない、意味のない場面で使うフレームワークほどムダな事はありません。
ただやったという満足感を得たいのであれば止めはしませんが、そんな時間を使うくらいなら価値のある時間にした方が有意義です。
企業様の現状を見て、問題抽出・改善の立案・目標設定などしなくてはならない事に対しての有効な手立てがフレームワークであればそれでいいのです。
手段と目的を間違えない事はどんなビジネスにとっても重要な事だと私は思います。
弊社ではこれらのフレームワークの型にこだわる事なく、企業様にあった業務改善の進め方を提案させて頂き、その過程において一つの手段としてロジックツリーをはじめとした各種フレームワークを使用するという事を徹底しています。
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